平岡秀一

まず、サイエンスアーツを設立するまでの略歴からお教えください。

私は、大企業と外資系で仕事をして、ベンチャー企業の経営に参画した後、当社を起業しました。

1.大企業で修行

国産のコンピュータ企業に営業志望で就職しましたが、残念ながらソフトウェアの研究開発部門に配属されました。ところが、プログラミングが楽しく、気が付くと12年間プログラマーを生業としていました。
このプログラマー経験はこの後とても役に立ちました。

2.外資で修行

当時、マイクロソフトからPCで動くサーバ用OS 「WindowsNT」がリリースされ、OSアーキテクチャーを知ったとき、近い将来、安価なPCが高価な大型コンピュータに取って代わると確信しました。
WindowsNTを開発した天才プログラマーであるデヴィッド・カトラーの「闘うプログラマー」を読んでマイクロソフトへの転職を決意し、新たなキャリアパスを歩み始めました。
マイクロソフトでは、マーケティングなどのスキルを身に着けましたが、それ以外に、責任と突破力を大切にしている文化をサイエンスアーツでも大切にしています。

3.ベンチャーで修行

マイクロソフトではコンサルティングを担当していましたが、コンサルティングに飽きてきたころ、尊敬する某氏からお誘いを受け、投資ファンドに転職しました。
この時期、複数のベンチャー企業の役員をして、少人数で、お金も知名度もないベンチャーが、社会問題解決に取り組んでいる姿はいきいきと楽しそうに感じました。
この経験が、サイエンスアーツを起業するきっかけになりましたね。

平岡さんにとって、仕事とは?

人々に喜ばれて、対価としてお金を頂けること。
すなわち、社会に価値を提供し、対価として次の問題解決のための投資資金を得て、社会の役にたてれば、こんな楽しいことはないと思います。
何故そんなに楽しいのか。世界を便利にする一翼を担うことができ、人々から喜ばれるからです。
自分たちが生み出した仕事で人に喜ばれるのは、本当に得難い感動がありますね。飛行場に行くと、我々の製品が一斉に使われて飛行機が整然と動いているわけです。そういうシーンがいろいろなところで見ることができます。こういうシーンを見ることができるのは、喜び以外の何物でもありませんね。だからこそ、自分たちにしかできないことにこだわっているのかもしれません。

社員にはどういった存在になってほしいか、その思いをお聞かせください。

当社は20代が一番多く、男女比も同じくらいです。当社の文化として、若くても責任やチャンスを与えます。入社1年後には責任ある立場になってもらうので、大企業と比べ、成長スピードは圧倒的に早いと思います。そこで期待するのは突破力がある社員になって欲しいということですね。
高度な仕事には、必ず多くの問題や障壁があります。そこを超えないと目的が達成できません。それには、地頭の良さとあきらめない心、これを突破力と呼んでいます。
中長期的な成長イメージを理解できるマーケティング能力、データから事実を分析したい人、それと一番大切な突破力を兼ね備えた人が当社のリーダーとなって行くでしょう。

サイエンスアーツを設立して実現できたこととは?

Buddycomは、多くの交通インフラや流通業、製造業など、ホリゾンタルの現場で働く方々(デスクレスワーカー)に利用されています。
例えば、飛行場や鉄道、家具や衣料、雑貨、食品などの店舗でBuddycomを使って頂いている姿を見かけると、Buddycomの価値を実感します。

最後に、平岡さんが人生で大切にしていること、座右の銘をお教えください。

座右の銘は、吉田松陰の次の言葉です。
「夢なき者に理想なし
理想なき者に計画なし
計画なき者に実行なし
実行なき者に成功なし
故に、夢なき者に成功なし」
我々にとって“夢”とは、具体的な行動によって実現しようとする願望です。したがって、“夢”は見るものではなく実現するものです。サイエンスアーツにとって“夢”とは、世の中の現状を変革する際の目標でもあります。この目標である“夢”をできるだけ具体化し、そして共有し、その実現に向かってチャレンジすることで変革を進めていきます。
具体的には、第一線で働くデスクレスワーカーに、Buddycomでライブなコミュニケーションを提供し、カメラや遠隔ロボット、IoTセンサーなどとつながるプラットフォームを開発・販売して、デスクレスワーカーの働き方や、ビジネスを変革していきます。
そんな我々と同じ夢を見たいという方にぜひ来ていただきたいと願っています。